
田中 智大京都産業大学 1年
知見を広げることに力を入れ、知識を詰め込むだけでなく、実際にやってみること、生の話を聞くことを大切にしている。先日は大阪で開かれたカンファレンスに参加。11月初めの大学祭では運営スタッフとして準備を進める。行事の裏方は中学生の頃から続けている。
まず自己紹介をお願いします。今いちばん力を入れていることは何ですか。
田中さん京都産業大学情報理工学部情報理工学科1年次の田中智大です。今いちばん力を入れていることは、知見を広げることです。単に知識を詰め込むだけでなく、実際にやってみたり、生の話を聞いたりすることを大切にしています。欲しい情報を得ることが簡単になっている現在において、経験の価値は相対的に上がっていると感じます。
先日は、大阪で行われたカンファレンスに参加してきました。文章としてまとめられてはいない生の話だからこそ、単なる情報以上のものを得ることができました。
他には、11月頭にある大学祭の運営スタッフとして準備を進めています。中学生の頃から行事の裏方に関わっており、今も続けています。大変なことも多いですが、普通に生活しているだけではできない経験を楽しみながら、本番に向けて頑張っています。
生成AIを初めて使った時のことを教えてください。
田中さん高校1年の時です。具体的にどのような使い方をしていたかはあまり覚えていませんが、記憶に残っていることが一つあります。それは、ツールとして使えるものではないと感じたことです。その時は、自分で考えた方が正確で早かったため「面白いが、それだけ」という認識でした。
しばらくは、ほとんど使わない状態が続いていましたが、ある時使ってみると自然な会話ができるようになっていて驚きました。そこからしばらくは、毎日のように思考の壁打ちとして使っていました。その当時、単なる会話だけでなく、ある程度のシミュレーションを会話と同じ速度で出力したことに、感動したのを覚えています。
また、同じタイミングでAIが登場する小説を読んでいたのですが、シリーズを読んでいる間に、現実のAIの性能が小説の中のAIを追い抜いたのが印象に残っています。
今、いちばん使っているのはどんな場面ですか。
田中さんいちばん使っている場面を限定するのが難しいほどに、様々な使い方をしています。例えば、漠然とした考えがある場合にはAIに言語化してもらい、考えを整理しています。
また、目標に対して具体的な方法や選択肢を提案してもらい、出力を参考にして行動することもあります。その場合、AIに行動を指示してもらうのではなく、複数の案を提示してもらい、選択したり、場合によっては組み合わせたりして実施しています。そうすることで、一人で考えるよりも短い時間で、効率的な行動を計画しつつ、自分の意見を第一にして行動しています。
他にも、情報を集めて分析しやすいように整理してもらったり、批判的な立場で自分の考えを確認してもらったり、便利なツールとして活用しています。
うまくいった経験と、うまくいかなかった経験を教えてください。
田中さんうまくいったのは、AIにメールの文言を考えてもらったことです。私は初めてメールを送るときに、どのような挨拶から始めればよいのか、また失礼のない表現にできているのか不安でした。そのため、挨拶文の提案やメール特有の言い回しに調整してもらいました。それによって、適切なメールを時間をかけずに作成することができました。
一方でうまくいかなかったのは、大学の特徴を調べてもらった時です。AIはそれらしい答えを返してくれたので最初は信じていました。しかし、読み進めていくと違和感があったので確認をすると、複数の箇所が誤った内容になっていました。それ以来、重要な調べ物はAIの返答がどれだけ自然な内容でも、必ず確認するようにしています。
使う時に、自分なりに工夫していることはありますか。
田中さん一つ目は、AIに答えを出させないことです。AIには案を出してもらったり、自分の考えたことにアドバイスをしてもらったりしています。そうすることで、AIに頼り切ることなく自分の考えを重視しています。
二つ目は、判断はAIにさせないということです。AIの発展によって多くの分野で私よりも優れていると感じています。それでも、自分がどうするかの判断だけは必ず自分ですると決めています。判断が正しくても間違っていても、影響が出るのは自分なので判断を頼りきらないようにしています。
三つ目は、AIの責任にしないということです。AIが誤った出力をしたときはAIを責めたくなることもあります。それでも、AIがツールである以上自分の意思で使っているので、責任は自分にあると意識して使っています。
周りの学生は、どのくらい使っていますか。
田中さん周りのほとんどの人が使っていると思います。一方で、使い方は人によって大きく違うと思います。例えば、アルバイトを探すときに情報をまとめてもらったという話や、レポートをすべて書かせているという話も聞いたことがあります。
大学ではAIの使い方について明確に言われたことはあまりありません。授業で使い方のアドバイスを話されたことはありますが、明確に推奨されたり禁止されたりしたことはありません。そのため、授業や課題でどこまでAIを使うかは人それぞれになっています。
私の感覚では、全てをAIに任せている人は、結果的に無駄が多くなっているように感じます。一方で、ほとんど使っていない人も、多くの負担を抱えているように感じます。使い方にもよると思いますが、上手にAIを使っている人は必要な場面で適度に活用しているように感じます。
就職活動で企業を見る時、その会社のAIの使い方は気になりますか。
田中さん企業を決める際の判断材料の一つとして、AI活用に関する方針を気にしています。特に業務を行う上でAIを使うことができるのかどうかは、大きなポイントです。日常的にAIを使っているため、全面的に使用ができない場合は仕事の効率にも影響すると思うので、就職前に確認しておきたいです。
一方で、自由にAIの利用が認められている場合も不安があります。個人情報やセキュリティへの配慮が行われているのか気になるためです。AIに関してツールや規則が適切に整備されているかは、企業説明会などで確認したい項目の一つです。
また、実際にどのように活用しているのかを聞くことができれば、より明確なイメージを持てるので参考になると考えています。
最後に、社会に出たらAIをどう使っていきたいですか。
田中さん社会に出てどのような立場になったとしても、AIは積極的に使うつもりです。特に、情報の整理や文面の修正などは、どのような環境でも使い続けているはずです。そのため、AIを使って良い範囲と使ってはいけない範囲が明確になっていると、より安心して使うことができると考えます。AIを活用して効率的に作業を行うことで、人にしかできない対話や判断に集中して取り組みたいと感じています。
また、周囲もAIを活用している環境だと、使い方を周囲と相談することでより効果的に使いつつ、危ない使い方にも気づけるので、より良いと思います。これからも、AIを特別なものとしてではなく、便利で一般的なツールとして活用していきたいです。
