
イベント企画やWeb・店舗マーケティングにおいて、AIを思考・構成のパートナーとして活用。製作者の想いや人間味を損なうことなく受け手の感情を動かす発信を追求し、地域の価値創出と事業成長に貢献します。
神戸。クラフトビールとナチュラルワインの店を営み、日本最大級のビアバーフェスを主催する会社がある。株式会社エキサイティブ。広告・マーケティングの知見を軸に、店舗運営とイベント企画で地域のカルチャーをつくっている。
その発信を支えているのが、生成AIだ。ただし、つくらせるためではない。
生成AIを使い始めたきっかけ
2023年の創業期、代表の高見航大氏が中心となって活用を始めた。主催イベントのSNS発信をはじめ、同社の事業には数多くの広告クリエイティブ制作が欠かせない。
もっとも、導入前には懸念があった。
「AIが生成した画像や文章には製作者の想いや人間味が感じられず、一目で見抜かれてしまう」
だから高見氏は、画像を自動生成させる道を選ばなかった。受け手に情報を正確に届けるための構成案。感情を動かす配色や視覚効果。それらを相談するアドバイザーとして、AIを位置づけた。
人間味のあるクリエイティブを自社で制作するための、壁打ち相手。それが最初の使い方だった。
使う前は、どうしていたか
導入前、判断のよりどころは自身の感覚と経験だけだった。
イベント告知やSNSクリエイティブの構成をどう組むか。どの配色にするか。WebサイトのSEOではどのキーワードを選ぶか。店舗のMEO対策、つまりGoogleマップ上での見え方において、ターゲットの属性に応じた口コミ返信の言葉をどう選ぶか。
そのすべてを、自分の頭のなかだけで検討していた。
ひとつの構成案やキーワード設計を固めるまでに、多大な時間がかかる。しかも、情報設計の根拠が曖昧になることもあった。集客の精度を高めながら、いかに効率よく狙った層へ届けるか。それが課題だった。

いま、どう使っているか
現在、生成AIは「マーケティング・クリエイティブの思考支援パートナー」として深く使い込まれている。
第一に、イベントSNS広告のラフと構成の作成だ。「どんな構成なら正確に伝わるか」「どんな配色ならターゲットの感情が動くか」を相談し、人間の手で仕上げる前段階の設計に使う。
第二に、ホームページのSEO対策。どの検索キーワードを含めれば、狙った企業やメディアに届くのかを検証する。
第三に、店舗のMEO対策。来てほしいターゲット像に合わせて、口コミ返信や発信文言のキーワード設定をブラッシュアップしていく。
一貫しているのは、AIに成果物を丸投げしないという姿勢だ。
「人間の感情を乗せるための思考ツールとして活用しています」
うまくいかなかったこと
画像や文面といった成果物を、そのままAIに作らせる。いわゆる「丸投げ」の使い方は、早い段階でやめた。
理由は明快だ。自社の想いや人間味が削がれてしまう。
AIが生成したクリエイティブは、受け手に見透かされる。イベントやブランドの熱量が伝わらない。そう実感したという。
そこから方針を転換した。「AIに作らせる」のではなく、「人間が作るための構成案やラフの思考整理に徹する」。
この役割分担を明確にしたことで、発信のクオリティと効率化を両立できるようになった。

これから
次に見据えているのは、ターゲット顧客のペルソナ分析と、深層心理の分析だ。ここでのAI活用の精度を高めていきたいという。
これまで培ってきた構成やキーワード選定のロジックを体系化し、地域イベントの集客支援や店舗マーケティングにおいても、再現性の高いデータとして蓄積していく。
「AIを『人の熱量や想いを正しく届けるための精度向上ツール』として使いこなし、地域におけるマーケティングと場づくりの成功モデルを増やしていきます」
ともに働く人を求めている
同社が神戸元町で運営する「FRONT(078)」は、クラフトビールとナチュラルワインを楽しめる小さなビストロだ。ここで調理・ホールスタッフを募集している。
日々の仕込みや調理だけではない。メニュー開発、食材の仕入れ、原価管理といった店舗運営にも幅広く携わることになる。
クラフトビールやナチュラルワインとのペアリングを考えながら、自分のアイデアを料理として形にできる。そこが個人店ならではの面白さだ。
料理が好きな方。チームで協力しながら働ける方。自分の経験やアイデアを活かしたい方。将来、自分の店を持ちたい方。そうした人を歓迎している。
一緒に「また来たい」と思ってもらえる店をつくっていく。

大学卒業後、広告営業を経験し、企業の集客・販促支援を経て独立。「好きな人と好きな場所で好きなことを」をテーマに地元・神戸でクラフトビール事業をスタート。広告・マーケティングの知見を活かし、店舗運営やイベント企画を通じて、クラフトビールを軸とした地域の新たなカルチャーづくりに取り組んでいます。



